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Jeordie White(a.k.a.Twiggy / Twiggy Ramirez)を知るためのブログ。時空をさかのぼって不定期更新中。May the force be with you!

足、茹でないよね?【雑誌】「BIKINI MAGAZINE」1998年12月号

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 間違って、トゥイギーとは関係ない雑誌の画像を貼りつけてしまった…わけではありません。「Bikini Magazine」という男性誌の1998年12月号にて、トゥイギーが男性コメディアンといっしょにビューティサロンに爪と足のお手入れにいく、という冗談のような企画に登場していました。サロンで施術を受けながらの会話が妙に面白く、彼の活動の原点が垣間見えるような話題も多く出ていたので、紹介したいと思います。

※2021年現在、筆者が現物を入手できていないため、複数の情報で確認をとった上で、こちらの記事を翻訳しました。

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ザ・“キューティクル”・ピープル

ボブキャット・ゴールドスウェイト(コメディアン)とトゥイギー・ラミレス(ミュージシャン)、芸を磨く日常から離れて爪のお手入れへ

 執筆者:Mark Blackwell

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 ボブキャット・ゴールドスウェイトと、トゥイギー・ラミレス。別々の分野で活動する二人には、多くの共通点がある。まず、自分たちが持つ奇抜なイメージーーとがっていて過激で、恐ろしく思えることすらある――を徹底的に追求していること。それから、深夜のトークショーを文字通り炎上させた点だ。ボブキャットはジェイ・レノのゲスト用椅子に火をつけ、トゥイギーは「ジョン・スチュワート・ショー」のラストで、マリリン・マンソンと一緒にステージを燃やした。二人は、ともに仕事中に怪我を負ったという経歴の持ち主でもある。トゥイギーはメキシコシティでのコンサート中に飛んできた破片で頭を切り裂かれ、ボブキャットはプラスチック製のピンク・フラミンゴに巻き込まれるという信じられない事故で目に怪我をした。それだけではない。ボブキャットが(本人はポリス・ロボトミーと呼んでいる)有名な映画シリーズ『ポリス・アカデミー2』『ポリス・アカデミー3』『ポリス・アカデミー4』で法執行機関の世界を嘲笑したのに対し、トゥイギーも、権力に反抗し『ブレイキング・ザ・ロウ』(法律を破る)の大ヒットで知られるジューダス・プリーストの長年の大ファンなのだ。彼らにこれほど多くの共通点があるのは、単なる偶然だろうか?

 ボブキャットは現在、『Bobcat's Big Ass Show』(FX)という変てこな番組でホストを務めている。一方トゥイギーは、マリリン・マンソンの新作アルバム『The Mechanical Animals』(『The Dope Show』ほか収録)で異彩を放っている。つまり、ボブキャットもトゥイギーも、ありふれた並のエンターテイナーではないということだ。こんなふうに休みなく新境地を開拓していれば、二人の手はどうしても汚れてしまうに違いない――もちろん、足もだ。どんなに突飛なことをするにせよ、人というのはいつでも身だしなみを整えて、清潔にしていなければならない。彼らの手がなぜ汚れたのかはさておき。

 そこで今回、ボブキャットとトゥイギーに、バーバンクのストリップ・モールにある美容サロン「Cali Nails」で、素敵な午後のひとときを過ごしてもらうことにした。ボブキャットの娘の爪が割れてしまったのを直すついでに、最近知り合ったばかりという二人に、マニキュアやペディキュアをしながらお互いのことをもっと知ってもらおうと考えたのだ。さっそくサロンに向かうボブキャットとトゥイギーに合流してみると…。

トゥイギー(以下T):それじゃ、ぼくたち指の爪をやってもらうんだね。

ボブキャット(以下B):私は、足をやらなきゃいけないらしいよ。

T:足?

B:ああ、そう聞いたよ。私のガールフレンドの行きつけの店なんだ。いま、娘と一緒に店にいるよ。私は初めてだけどね。

T:ぼくの足って…怖いよ。最初に、あなたの足を茹でたりするのかな?

店に入ったボブキャットとトゥイギー、手袋をはめる。マスク姿のベトナム人女性が二人を隣り合った席に案内。ボブキャットのフットトリートメントが始まる。トゥイギーは靴を脱ぐのが少し恥ずかしいらしく、マニキュアから始めることに。店員がトゥイギーのキューティクルをケアする間、足担当の店員はボブキャットに水の入った長方形のバスタブに足を入れるよう指示している。

B:これって、誰かが使った後の水じゃないよね? 新しい水?

店員:もちろん、新しい水ですよ。

B:ああ、よかった。使い古しの水なら、料金は安くなるのかい? (靴を脱ぎながら)ふー! ちょっとニオイがしちゃうね。

――初めての経験ですか?

B:ああ。すごく緊張するね。いま、ペディキュアの処女膜を破ってもらってるところだよ。

T:ぼくの足って、かなりひどいんだ。

B:それはどうかな。フレッド・フリントストーンと試合で勝負だね。

T:(カメラマンに向かって、少し緊張しながら)ぼくたちの足の写真を撮るつもりなの?

B:(バスタブに足を入れながら)うわー! ちょっと!

店員:大丈夫ですか?

B:大丈夫じゃないよ。バスタブが振動するなんて! わあ、この中にズボンを脱いで座ってみたいね。小さなジャグジーみたいだな。

店員:(トゥイギーに向かって)色は塗りますか?

T:うん。そうするよ。

店員:では色を選んでください。

トゥイギーはマニキュアの色を選び始め、店員はボブキャットの足をヘチマのようなもので磨き始める。

B:おいおい、なんだよ!

T:彼、何をされてるの?

店員:基本的には、足にサンドペーパーをかけているんですよ。

T:どんな感じ?

B:(クスクス笑いながら)変な感じだよ。ぎゃー! (店員に向かって)きみ、私に怒ってないよね?

T:あとで、足の指を吸われちゃうかもね。

B:トゥイギー、守れない約束はしちゃいけないよ。

ボブキャットの足はピカピカになり、爪には光沢のある透明なネイルポリッシュが塗られている。トゥイギーは指の爪に紫とピンクのネイルを交互に塗ってもらうことに。

B:(店員に)何色が好き?

店員:さあ。

B:きみ、私にここから消えてほしいのかい?

T:色を選ぶんだよ、ボブ。ぼくは二色選んで、一本ずつの指に塗ったよ。『We're Not Gonna Take It』のビデオに出てくるディー・スナイダーみたいにね。

B:ハッピーな色がいいね。セラピーで使われるようなやつ。イエローとか…。

T:オレンジは好き? ここにオレンジがあるよ。

B:よし、オレンジとイエローにしようか。これってかなりシュールだね。自分でやることを他の人にやってもらうなんて…。L.A.に尻を拭いてくれるサロンがあったとしても、驚かないね。

T:お尻拭きサロン? (笑いながら)お尻を拭いてもらうってこと?

店員:爪の長さがそろってませんね。短く切りすぎですよ。

B:短く切りすぎ?

店員:ええ。

B:それって、私が精神的な問題を抱えてるってことかい?

店員:ええ、そうですね。

ボブキャットが整えた爪をイエローとオレンジに塗られている間、トゥイギーは悲しそうな顔で、靴を脱いでペディキュアをしてもらうことに同意。

T:ぼくの足って、世界一醜いって言われてるんだ。今日はそこまでじゃないけど…。毛深いんだよ。毛むくじゃらのソックスなんて嫌だよね? 来る前に、剃ってくればよかった。

店員がトゥイギーの足に取りかかる間、ボブキャットは箱に入った爪用の小さな金色の文字を選んでいる。

B:“TRY GOD(神に祈りを)”にしようかな。

T:それは何? (箱を覗きながら)わあ、すごい!

B:面白いよね。一番人気なのはどれだい?

店員:お好きなのをどうぞ。

B:みんな、普通はどれを選ぶの?

店員:“LOVE”が多いですね。それか、“#1(ナンバー1)”。

B:ナンバーワン!? その人たち、うぬぼれてるんじゃないか。それじゃ、#2(ナンバー2)はあるのかい?

T:ナンバー2って…(笑)。

店員:わたしは、“#1 Lover(恋人No.1)”と“#1 Honey(愛しい人No.1)”をつけてますけどね。

B:それじゃあ私は、“#1 Honey(愛しい人No.1)”にするよ。この辺りで「愛しい人No.1は誰?」という議論が起きた時に備えてね。親指を突き出して、議論に決着をつけてやるとしよう。

T:ぼくは、それ全部つけたいよ。接着剤でくっつけるの?

B:ああ。

T:それじゃ、あっという間にはがれちゃうね。

B:これって、どれぐらいもつんだい?

店員:長もちしますよ。

B:いや、このジョークは3~4時間もてばいいんだけどね。

T:ぼくは、“Jesus(ジーザス)”にするよ。

トゥイギーが「ジーザス」のパーツを選んだのを受け、ボブキャットは、1992年*1に彼が監督・脚本を務めた傑作映画『Shakes the Clown(邦題:殺人ピエロ狂騒曲)』の続編の可能性について語り始める。

B:『ティーン・ジーザス』って映画をつくりたいんだ。『エルサレム青春白書』みたいな感じでね。ジーザスの怒りに満ちた10代を描くのさ。

ーー聖書に書かれていない時代を描くってことですか?

B:ああ、そうさ。聖書には書かれてないけどね。彼の反抗期についての疑問に答えるよ。

T:ティーン・ジーザスか。いいね。

B:ジーザスは体育会系の奴らにいじめられるけど、プールの水面を歩いて水泳大会で優勝するのさ。

あとは乾燥を待つばかり。ボブキャットとトゥイギーに、小さな扇風機が用意される。イエローとオレンジに塗られたボブキャットの爪。親指には金色のチャーム“Try God”と“#1 Honey”が付いている。トゥイギーの足と手の爪は紫とピンクで、小指には “Jesus”の文字。ネイルポリッシュが固まるまでの間、もう少し二人に話を聞こう。

――二人は知り合ってどれぐらいになるんですか?

B:ついこの間だよ。何度か会って様子を見てるんだけど、どうやら付き合うことになりそうだね。

――出会いは?

B:ビリーを通じて。

T:ビリー・コーガンのことだよ。ある晩、ビリーと一緒にボブのステージを見に行って、その後、一緒に遊んだんだ。

――あなたたちの活動の共通点はなんだと思いますか? 限界に挑戦しているという点は、間違いなく共通していますよね。作品が少々物議をかもすところも…。

B:そうだね。皮肉やおふざけの要素は似ていると思うよ。

T:ユーモアのセンスかな。

B:きっと、それだね。もし自分の人格についてちゃんと考えていたら、週末にデトロイトのボウリング場でふざけたりしてないだろうからね。自分が人にどう見られるか、あまり気にしてないって感じかな。といっても、「知るかよ!」みたいなことじゃないけどね。怒ってるんじゃなくて、ただ楽しんでるんだ。そこが私たちの共通点じゃないかな。人からどう見られるかっていうことに、あまりとらわれていないように思うよ。

T:ぼくもそう思う。

――自分の人格の中に、ユーモアを見出しているということですか?

T:そうだね。

B:きみのことを怖がっている人もいるよね。それって笑えるよ。きみを見て、恐怖で震えあがってるんだから

T:あなただって、怖がられてるけどね。

B:そうだね。私に傷つけられたり、気分を害されたりするんじゃないかと思うんだろう。

T:今のボブキャットって、自分の殻を破りつつあると思うんだ。あなたが作った作品の中で、ボブキャットというキャラクターがもう一度自分自身を見出してるんじゃないかな。

B:そうかもしれないね。

T:かつては、あなたがボブキャットだったわけだよね。それって、ぼくとほとんど一緒だよ。ぼくのバンドで、その…自分のキャラクターを演じてるぼくと。

B:そう思うよ。

T:ほら、前に話してくれたよね? ときどきあなたは、自分の古いスタンダップ・コメディ作品を聞き直すけど…。

B:自分がいったい何を言ってるのか、自分で理解できないって話だね。

T:そう。自分なのに「あいつは誰だ?」みたいな感じになるんだよね。それって、ぼくたちも同じなんだ。自分たちのイメージが音楽を上回ってしまう危険があるんだよ。前作『Antichrist Superstar』はイメージがあまりにも強すぎたから、今回のアルバムでは、自分たちを音楽的に証明しなくちゃいけなかったんだ。

B:私のスタンダップ芸と同じだね。

T:今のあなたって、キャラクターを演じていた頃よりもさらに面白くなってると思うな。もちろん、昔のクレイジーなキャラクターが「ああああーーー!」って叫ぶのを期待してる人もいるだろうけどね。

B:まあしかし、私がやっていたスタンダップは、誰も聞き取れなかったと思うよ。半分ぐらいは、自分でも何を言っているのか分からなかったね。初期のスタンダップ芸では、スタンダップをやりたいとすら思っていなかったんだ。スタンダップそのものをジョークにしていたのさ。ステージで魚をさばいて「おやすみ!」って言うのが、私にとっての芸だったんだ。スタンダップ・コメディアンになってからも、あいかわらずスタンダップをジョークにしていたよ。そして気づいたら今、より自分に近いことを――よりおかしなことをやっている。面白いことに、賞金争奪戦みたいなくだらない番組をやってると、“スタンダップをやらなくてもいい”っていう素晴らしい気分になれるんだ。人にどう見られるかなんて、もう全然気にならないよ。スタンダップをやっていた頃は、自分が嫌いな芸を自分でやってしまうのが怖くて、つまらない、薄っぺらいことしかできなかったんだけどね。

――トゥイギーというキャラクターを脱ぎ捨てて、あなた自身に戻るのは簡単ですか?

T:ぼくの場合、バンドが生んだトゥイギー・ラミレスというキャラクターになって自分自身から離れることで、より自分を知ることができたような気がするよ。まだ、完全に知りつくしたわけじゃないけどね。橋の向こう側から自分を見るようになるというのかな。役を演じてる俳優みたいなものなんだ。

B:音楽以外の部分ばかりが注目されることに、不満を感じることはないのかい?

T:ないよ。なんでかっていうと、そういう音楽以外の部分をロックンロールに取り戻すっていうのが、ぼくたちのバンドの目的だったからなんだ。ぼくたちが出てきた時期はグランジが大流行だったんだけど、“おれたちにイメージはない”っていうイメージを持ったバンドばかりだったよ。

B:なるほどね。

T:で、みんな、ロック・スターになりたくないとか、ロック・スターはすごく惨めとか言ってメソメソしてるんだ。なにが惨めなのか分からないよ。お金を稼いで、世界中を旅して、女の子に囲まれて…。そういうことの、いったいなにがダメだっていうんだい?

――ボブキャットという制御不能なキャラクターから脱却するのは、どうでしたか。

B:自分の言動に責任を感じてない時期もあったよ。私ではなく、他の誰かがやってるみたいだったんだ。いまは、ちゃんと責任感を持ってるけどね。親しみやすいバージョンのボブキャットだよ(笑)。

――でもあなたは、もっと攻撃的になることもできますよね? 逆に、もう少しソフトなキャラクターにすれば、さらに多くの視聴者に届く可能性だってあります。

T:それって紙一重だと思うよ。何かを伝えるなら、少なくともこちらが何を言ってるかが聞き取れないと意味がないよね? ある程度は保守的である必要があるんだ。そうじゃないと、攻撃的であるということ自体が目的になって、好きなだけ攻撃的になれてしまうからね。もしマリリン・マンソンがデスメタル・バンドだったら、誰も聴いてくれないか、聴いてくれたとしてもごく少数だと思うよ。それって、すでに改心している人に向かって説教するようなものだよ。そのあたりは賢くやらなくちゃね。

B:そうだね。といっても私の場合は、自分の作品を誰かに聞いてもらおうなんて思ってなかったんだけどね。ただムカついていて…。

T:みんなに自分の存在を知ってもらいたかったんだね。

B:その通りだよ。友人のロビン・ウィリアムズと、自分たちの中には同じ悪魔がいるっていう話をしてたんだ。でも私と違って、彼はみんなに好かれたいと思ってる。私の場合はどういうわけだか、世間の人たちがたとえ魚の卵を好きだったとしても、知るかって感じなんだ。それよりも、ただ認めてもらいたかったんだよ。

T:うん、分かるよ。

B:私にとっては、そっちのほうが重要だったのさ(笑)。まあ残念なことに、私よりもロビンの方が、ちょっとばかり稼いでるけどね。

――テレビ番組『Bobcat's Big Ass Show』について教えてください。編集時の修正やカットは多いんですか?

B:いや、カットされることは滅多にないよ。大変なこともあるけどね。いけ好かない出場者がいて、彼の秘密は、“精子を提供しようとして二度断られた”というものだったんだ。私は「誰のケツ(Ass)に提供しようとしたんだ?」と思って、そのジョークを楽屋で言おうとした。「だって、ケツっていう単語は番組名にも使われてるじゃないか」ってね。そうしたら彼らは、「いや、それは番組の全体的なアイディアとしてだから…」って言うんだよ。どうやら、NGなのは二つだという話になったんだ。ジーザスと…。

T:分からないよ。何が問題だっていうの?

B:おかしな話だよね。ジーザスは大した奴だよ。それと、ドラッグもね。

T:変な話だね。ぼくたちの前のアルバムは宗教的な要素が強かったんだけど、今回はドラッグのことを扱ってるんだ。前作のとき以上に、問題が起きそうな気がするよ。

――ボブキャットはティーン・ジーザスという映画を撮りたいと言っているし、あなたの最新シングルは…。

T:『The Dope Show』(麻薬ショー)さ。

――で、今、あなたの小指には「ジーザス」の文字があるわけですね。

T:このジーザス・ネイル、気に入ったよ。素敵だね。

B:ジェラシーを感じてしまうよ。きみの爪のほうがいいね。

T:ぼくの爪のほうが好きなの?

B:ああ、まあね。息がつまりそうだ。プレッシャーが大きすぎたよ。きみの色のほうがいいよ。

T:あなたのも素敵だよ。シャツの色に合ってる。ぼくの爪は、ぼくのシャツの色に合ってるね。

B:きみのほうが、ファッションセンスがあると思うよ。

――またこの店に来たいですか?

T:うん、定期的に来ようかな。これから毎週ね。

B:毎週木曜の午後は、二人ともここで過ごすことになるだろうね。

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 以上です。最後、二人でお互いのネイルを褒めあっているのがほほえましいですが、さて、その後サロンに通う習慣は定着したのでしょうか(笑)。マッサージの効果ですっかりリラックスしたのか、マリリン・マンソンというバンドや、その中でトゥイギーを“演じている”ことについて、彼自身がどう考えているのかを隠すことなく語っている珍しいインタビューでしたね。まあ傍目には、男二人が初めてのネイル&フットケアにチャレンジしているという不思議な光景だったのでしょうが…。ボブキャットは、年齢的にはトゥイギーの9歳上のようです。映画だけでなく、テレビドラマやアニメの声優としても活躍しています。

 記事がボリュームたっぷりなので、補足は少しだけにとどめましょう。まず、ラストでステージを燃やした「ジョン・スチュワート・ショー」は、1995年6月にマリリン・マンソンが出演したテレビ番組。『Lunchbox』を演奏中、MV同様にランチボックスを燃やしています。「Marilyn Manson - Jon Stewart Show」で検索すると、動画サイトで映像が見つかると思います。燃やす直前の、トゥイギーのホラーな動きにもご注目ください。

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「ジョン・スチュワート・ショー」出演時の写真

 自分の足が毛深い…と恥ずかしがるトゥイギーにボブキャットが勝負を提案した「フレッド・フリントストーン」は、石器時代を舞台にしたアニメーション『原始家族フリントストーン』の主人公ですね。毛深さでは負けないだろうということで名前が出たのだと思われますが、フレッド・フリントストーンの画像を検索してみると、意外なことに、手も足もツルツルでした(笑)。

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ムダ毛なし

 それにしても、トゥイギーが自分の足をみっともないと思っているだなんて、驚きですよね。短い丈のワンピースから伸びるトゥイギーのあの足は、もし“ミニスカートが似合う足を持った男性ミュージシャンNo.1”を選ぶアンケートがあったら、間違いなくNo.1かNo.2にランクインするでしょう(そもそも条件を満たす候補者がものすごく少なそうですが…)。本人の認識と、他の人から見える姿というのはやはり違うものなのでしょうか。

 ディー・スナイダーは、トゥイギーが愛するトゥイステッド・シスターのボーカルです。この『We're Not Gonna Take It』のミュージックビデオ、物語仕立てになっていて最高に楽しいので、脳みそを空っぽにしたい気分の時に、ぜひ観てみてください。

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中央がディー・スナイダー

 ここではおそらく爪をピンク色に塗っているっぽいディー・スナイダーですが、のちにトゥイギー(というかジョーディ)が結婚した際、なんと結婚式の司会を務めていました。きっとプライベートでも親しかったのでしょうね。

 というわけで、後にも先にもないトゥイギーの「ネイルサロン体験記」でした。悲しいことにこの雑誌、現在、日本での入手はほぼ不可能です。海外のネットオークションではたまに、高値で取引されている模様。表紙の美しいジェニファー・ラヴ・ヒューイットが価値を上げてしまっているのか、それともトゥイギーたちの爪のお手入れ記事が珍品扱いされているのか…。トゥイギーのジーザス・ネイルと、ボブキャットの「愛しい人No.1」ネイル、ぜひ観たかったですね。

 悔しさはつのりますが、ようやく探し出した画像(小さいですが…)を最後に紹介して、今回の記事を締めくくりたいと思います。

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きみたち、いま写真撮ってないよね?

★★目次★★

*1:正しくは1991年のようです。