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Jeordie White(a.k.a.Twiggy / Twiggy Ramirez)を知るためのブログ。時空をさかのぼって不定期更新中。May the force be with you!

セクシーなメタルのお人形さん【書籍】「COLECCION IMAGENES DE ROCK: 90 - Marilyn Manson」(2000)

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 少し珍しい書籍を手に入れたのでご紹介します。珍しい…というのは、実はこの本、スペイン語で書かれているのです。

 奥付を見ると出版は2000年。スペインのEditorial La Máscaraという出版社から発行されています。各巻につき一組のバンド(またはミュージシャン)を取り上げる「COLLECCION IMAGENES DE ROCK」というシリーズの中の一冊らしく、本書は第90巻となっています。ちなみに筆者が持っているのは第2版。巻末にこれまで刊行されたタイトルの一覧が載っているのですが、最新情報は「第114巻:ロビー・ウィリアムス 次回予告:ビーチ・ボーイズニック・ケイヴ」となっています。絶妙に、節操があるんだかないんだかよく分からないラインナップです(笑)。

 このシリーズのタイトルや出版社の名前をインターネットで検索してみたのですが、ほとんど情報が出てきません。著者のJota Martinez Galianaさんは翻訳者の方みたいです。もしかしたら、もともと英語のオリジナル版があって、それをスペイン語に翻訳するというシリーズだったのかもしれませんね。

 裏はこんな感じです。

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「男」モードのトゥイギー。デイジーもいます

 実物はほぼA4と同じなので、本というより雑誌サイズです。全64ページで、カラー写真もふんだんに使われています。厚みは0.5㎝ぐらい。日本でいうと、ムック本といったところでしょうか。

 さて内容は…と言いたいところなのですが、悲しいお知らせです。筆者は、スペイン語がまったくわかりません…。見出しも全てスペイン語なので、ほんとうに一言も読めません…すみません(涙)。

 写真を手がかりにざっくり見た感じだと、マリリン・マンソンの歴史や活動内容、メンバー紹介(マンソン/トゥイギー/ポゴ/ジンジャー・フィッシュ/デイジー/ZIM ZUM)、歌詞やディスコグラフィーなど、「マリリン・マンソンってどういうバンド?」という基本的な情報が分かりやすくまとめられているようです(たぶん)。本人たちのインタビューはありません(たぶん)。

 とにかく文章も写真もボリュームたっぷりで、マンソンはもちろん、トゥイギーの写真も多く掲載されています。トゥイギー単独の写真が大きく取り上げられているのは、2ヵ所です。

 まずは、メンバー紹介のコーナー。モノクロのページです。

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 下を向いてかすかに笑みを浮かべるトゥイギーの写真の下に、彼の紹介文らしき記事があります。ああ、この部分だけでもなんと書いてあるのか知りたい…。そう思った筆者は、生まれて初めてスペイン語を書き起こし、さらに翻訳ソフトを駆使して、どうにかこうにか訳してみました。上の画像、ジョーディの名前の下に「La muñequita más sexy del metal」とあるのが見えるでしょうか。このコーナーの見出しのようです。これを翻訳ソフトに入れてみたところ…

「セクシーなメタルのお人形さん」

と出てきました(笑)。他の翻訳ソフトだと、「いちばん可愛い鋼鉄のお人形さん」。字面だけで想像すると、かわいいというより、怖いような…。まあ自然に訳すなら、きっと「メタル界のセクシーなお人形さん」って感じでしょうか。調べると、「muñequita」という単語は、人形を意味する「muñeca」を子どもや女性向けに可愛らしく表現した言い方みたいです。

 その下に続く文章も、とりあえず訳してみました。いくつかの翻訳ソフトを使って内容を比べたり、訳したものをもう一度スペイン語に訳し直したりして筆者なりに最善は尽くしたのですが、なにしろ(内容はともかく、訳があっているかどうか)自信がありません。日本語も、本当ならもっと自然な言い回しに変えたかったのですが、筆者の解釈のせいで本来の意味から離れてしまう危険があると思ったため、手を加えるのは最小限にとどめています。少々読みづらいと思いますが、ご了承ください。

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ジョーディ・ホワイト/トゥイギー・ラミレス

~最もセクシーなメタルのお人形さん~

 70年代に彼女の母親はグルーピーをしていて、マウンテンやキンクスのコンサートでは檻の中に入りヌードで踊っていました。そのためトゥイギーはよく「自分はレスリー・ウェストかレイ・デイヴィスの息子ではないか」と冗談を言っています。実はトゥイギーは、6歳の時に交通事故で精神を病み、跡形もなく去っていった父親のことを何も知らないのです。ちなみに彼の叔母さんも、ビージーズのグルーピーでした。

 幼少期から思春期にかけて、ジョーディは自分の個性の方向性を示しました。良きロックファンである母親はジョーディの髪を切らなかったので、彼女はいつも髪を長くしていました。学校の子供たちは彼をからかい、男の子か女の子かと尋ねました。彼が小学4年生だったある日の午後、家に帰ってきて継父にそのことを訴えると、継父は彼に「今度同じようなことがあったら、ズボンを下ろしてペニスを見せろ」と言ったそうです。彼は冗談で言ったのですが、ジョーディはそのアドバイスを心に留め、次に仲間にからかわれたときにアドバイスを忠実に実行して、1週間の停学処分を受けました。思春期には、母親のストッキングをこっそり履いてみたりして、自分を受け入れることができるようになりましたが、それがとても心地よかったのです。

 ジョーディは、Amboog-A-Lardという南フロリダのデスメタルバンドで、リズムギターを弾いていました。彼らと一緒に、1992年にSlammie Award(フロリダ州の州レベルの賞)の最優秀リズムギター賞を受賞しました。

 マンソンにスカウトされたとき、彼はバンドの基準に沿ったニックネームを選ぶことを要求されました。つまり、女性の名前と連続殺人犯の名前を組み合わせたものです。ジョーディがトゥイギーを選んだのは、60年代のモデル、ツイッギーがアンドロジナスで少年のような格好をしていたからで、その曖昧なイメージはまさに彼が投影したかったものでした。リチャード・ラミレスを気に入ったのは、ラミレスがヘヴィーメタル好きだったからです。

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 以上が、このトゥイギー紹介コーナーの全文です。いやー、けっこう濃い内容ですね! ちなみに冒頭からいきなり「彼女の母親は」とありますが、何ヵ所か、ジョーディを表す三人称が「彼」ではなく「彼女」になっています。これは翻訳ソフトのせいではなく、どうやら、もとの文がそのようになっているのです。最初、「この本の著者は、ひょっとしてトゥイギーのことを女性と勘違いしたのか…?」とドキドキしましたが、書かれているエピソードから想像するに、おそらく、わざとそうしたのでしょうね(笑)。

 内容的には、同じことを本人の口から語っているインタビューや映像が他にもあるので、基本的に事実が書かれていると思われます。6歳の時に、お父さんが交通事故にあって…というエピソードは、筆者は初めて知りました。なんとも痛ましいですね…。ビージーズの追っかけをしていた叔母さんというのは、きっと、ファンとのQ&Aでも話していた「ジジ叔母さん」のことですね。

 そしてもう一ヵ所、トゥイギー単独で写真が載っていたのが、こちらのページです。

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 右下に、おそろしく読みづらいフォントでキャプションがついています。なんとか判読し、訳してみると…「上の写真は、バルセロナでの偉大なるトゥイギー。横(注:下の写真)は、バルセロナでの記者会見でクールダウンするトゥイギー。」だそうです(笑)。なんとなく文章のノリがアイドル雑誌的な感じがして、面白いですね。ファンの中でも若い層を意識して作られた本なのでしょうか。

 ちなみに、真ん中のページが破れていますが、これは、おそらくここに付録のポスターがついていたのだと思われます。古本で手に入れたため、筆者は見ることができず…。どんなポスターだったんでしょうね。

 とにかくこの本については、情報がほとんど存在しておらず、いまとなっては珍しいものということだけは分かります。筆者は、たまたま古本屋で見つけました(800円ぐらいでした)。せっかくなので、もっとくわしく紹介できればよかったのですが、パワーが尽きました。いかんせん、言葉が分からない…。

 言葉の壁の前にあっけなく崩れ去る筆者でした。

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とにかく写真が豊富

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書籍情報

COLECCION IMAGENES DE ROCK: 90 - Marilyn Manson
発行:Editorial La Máscara
発行日:2000年
著者:Jota Martinez Galiana
ISBN 84-7974-258-5
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