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Jeordie White(a.k.a.Twiggy / Twiggy Ramirez)を知るためのブログ。時空をさかのぼって不定期更新中。May the force be with you!

幽霊、見たことある?【インタビュー】Brightest Young Things(2012年10月31日)

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 何度見ても、どういう情報を扱っているのかよく分からない「Brightest Young Things」というおしゃれなウェブサイトに、トゥイギーのインタビューが掲載されていました。記事は2012年のハロウィンの日に公開されていますが、記事の中に出てくる会場名をツアー日程と照らし合わせたところ、インタビュー自体は10月17日におこなわれたようです。いきなりいぶかしげな顔をしているトゥイギーですが、いったい何を聞かれたのでしょうか。トゥイステッド・シスターTシャツ姿の写真とともに、お楽しみください。(→元記事はこちら

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トゥイギー・ラミレスの「不思議体験」

執筆者:JEFF JETTON 2012年10月31日

 ここは、Hammerstein Ballroomにあるマリリン・マンソンの楽屋。マンソン氏に悪霊や幽霊について話を聞こうと楽屋に潜入したが、見ての通り、彼を見つけることはできなかった。しかし、ギタリストのトゥイギー・ラミレスを追い込むことに成功。彼が経験した超常現象や、ハロウィンの衣装、お気に入りのホラー映画について語ってもらった。こういった質問に答えてもらうには、彼は誰よりもふさわしい人物だろう。

――さっそくですが、教えてください。幽霊を見たことはある?

トゥイギー・ラミレス(以下TR):(目を閉じてしばらく考えながら)ぼく、話し下手で…。いい話を思いつこうとしてるんだけど。

――見たことはあるよね?

TR:幽霊のいるところに行ったことはあるけど、実際に見たことはないよ。正直言って、信じてないかも。幽霊が存在してるんじゃなくて、エネルギーに関係あるんじゃないかな。誰かが死んだら幽霊が出るって言われるけど、人間なんてそこらじゅうで死んでるから、それだと世界中に幽霊がいることになっちゃうよね。ぼくは、幽霊っていうのは家を見つけていないエネルギーのことじゃないかと思うんだ。べつに、彼らはそこで起きてることに個人的な思い入れはないんだよ。誰かがぼくを見てるというエネルギーを感じたことは、確かにあったけど。

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自分、話し下手なもんで

 それと、いわゆるお化け屋敷で「Holy Wood」のレコーディングをしていたとき、当時のドラマーだったジンジャー・フィッシュが、ピアノの音が聞こえたと言ってたよ。ぼくがよく行っていた屋根裏部屋近くのトイレでは、中にいつも誰かの気配を感じたし。

――いい気配? それとも悪い気配?

TR:悪い気配じゃなかったよ。ただ、そこにいるのを感じたってだけさ。ドラッグのせいかもしれないけど。あれはドラッグからくる妄想だったのかもしれないね。

――非科学的な妄想ってやつだね! で、どうしたの?

TR:いつも通り仕事を続けたよ。そういえば、一度だけ家に幽霊が出たことがあったな。バスタブのスイッチが勝手に入ったんだ。

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スイッチが勝手に…

――どう対処したんだい?

TR:消したよ。

――きみは、世界一論理的なゴーストハンターだね。

TR:たまたまついたんじゃないんだ。そのスイッチを動かすには力が必要だから。そしたらまた電源が入ったから、また消したんだよね。ちょっと怖かったよ。「うそだろ、幽霊なんているわけない…。もしいるなら、何かサインを出してくれ」って言ったら、照明が点滅し始めてさ。単に、照明がショートしただけだったんだけど。どれかスイッチをつけると、いつもショートして点滅してたんだよね。

――バスタブはショートしなかった?

TR:うん、バスタブはショートしなかったよ。

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ビール返してくれよ

――なるほど。では次の質問。子供の時に着た最高のハロウィン衣装は?

TR:ある年に、C-3POの仮装をしたんだ。母がぼくの体をアルミホイルで包んでくれたんだけど、まったく同じ仮装をした子が、うちのハロウィン・パーティにやってきたんだ。それを見て、すごく取り乱して泣いちゃってさ。別の部屋に行って、ダース・ベイダーのマスクとマントをつけたよ。その時の写真が残っているけど、「あ~あ」と打ちひしがれているよ。

――不思議だね、ぼくも同じ経験をしたことがあるよ。マイケル・ジャクソンの仮装をしたんだけど、もう一人同じ子がいて、彼の方がいい手袋をはめてたんだ。ぼくは怒って、その手袋を自分のと交換してもらったよ。ぼくの手袋には母がくだらないスパンコールを縫いつけてたんだけどね(ごめん、ママ)。あの時から、母は自分の息子がダメな奴だと分かったんだと思うよ。文字通り、怒り狂って叫んだからね。いまでも悔しいぐらいだよ。それはともかく、大人になってからのハロウィン衣装だと、どれがベスト?

TR:ある年、野球実況アナウンサーのハリー・ケリーに扮したことがあるよ。

――「カブス優勝!」の人だね。

TR:ウィル・フェレルのバージョンのハリー・ケリーだったんだけどね。

www.youtube.com

――みんな、気づいてくれた?

TR:話すと分かってくれたよ。ウィル・フェレルのコントのセリフをマネしたからね。大昔のことだからどんな声でやったか忘れてしまったけど、「お尻にサンドイッチを入れたい」っていうセリフだよ。ウィル・フェレルはよく、こういう意味不明なことを言うんだよね。ちなみにその時スマッシング・パンプキンズのジェイムス・イハと一緒だったんだけど、彼は「オズの魔法使い」のドロシーの仮装をしていたよ。

――見るのが怖いね。今年は何の仮装をするつもり?

TR:たぶん、自分自身かな。ハロウィンの日はライブだから。

――ドレスアップしないの? みんなでビジネスマンの格好でもすればいいのに。では、最後の質問。好きなホラー映画は?

TR:定番だと思うけど、オリジナル・バージョンの『悪魔のいけにえ』。死ぬほど怖いよ。

――OK、ありがとう。本番直前に邪魔したね。すごく楽しかったよ。幽霊には気をつけてね。

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 以上です。えーと…いったい、なんなんでしょうね、このインタビューは。ホラー映画情報サイトというわけでもないし、インタビューの目的と質問の意図がまったく分かりません(笑)。せっかく楽屋に潜入したというのに、バンドやステージの話はおろか、音楽のおの字もありません。しかし、楽しい内容であることは確かです。とにかく、ハロウィンに記事を掲載するという一点突破で突撃取材したのでしょうか。

 もはや、解説するのもばかばかしいですが(笑)、せっかくなので、いくつか補足をしたいと思います。まず、「Holy Wood (In the Shadow of the Valley of Death)」のレコーディングをおこなったお化け屋敷というのは、奇術師フーディーニが住んでいたという噂で知られる「ザ・マンション」(通称フーディーニ・マンション)という、LAにあるレコーディング・スタジオのことだと思われます。レッチリやスリップノットがレコーディングした場所としても知られています。

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外観はわりと普通

 屋根裏部屋は、いちばん上の塔みたいなところにあるのでしょうか? お化けに会うのも怖いですが、トイレに行くために毎回この高さまで昇らねばならないとしたら、そっちのほうが大変そうです。別の意味で膝が震えそうです。

 想像するだけでほほえましいハロウィンのエピソードですが、まさかの衣装かぶりにより、急遽着替えたというダース・ベイダー姿の写真を見つけました。

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本当はC-3POが良かったよ

 確かに、「あ~あ」という顔をしていますね。3、4才頃でしょうか。これはこれで似合ってますが、本人にとってはそういうことじゃないんでしょうね(笑)。そうとうショックだったに違いありません。同じ部屋の中にちっちゃなC-3POが2体いたと思うと、かわいいですが…。アルミホイルを巻いてくれたお母さんも、きっと残念だったでしょうね。

 ウィル・フェレルバージョンのハリー・ケリー(ややこしい…)は、人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に登場するキャラクターです。上の動画ではゲストの天体物理学者相手に、トンチンカンな質問を浴びせて困惑させています。野球中継の実況アナウンサーが宇宙についての番組を担当しているという設定だけで笑えますが、ハリー・ケリーを知っている人ならさらに面白いのでしょうね(笑)。演じるウィル・フェレルは、日本だと、映画『俺たちフィギュアスケーター』シリーズや『主人公は僕だった』あたりが有名でしょうか。天体物理学者役はなんと、ギョロ目でおなじみ、ジェフ・ゴールドブラムではありませんか! この「サタデー・ナイト・ライブ」、トゥイギーはA Perfect Circleで活動していた2003~2004年頃にハマっていたようで、当時のインタビューでもよくネタにしています。まさか自分でも演じて?いたとは…(笑)。映像で見てみたかったですね。イハの「怖い」ドロシー姿は、ぜひこちらの記事でチェックしてみてください。

 『悪魔のいけにえ』は、いわずとしれたトビー・フーパーの名作です。筆者も大好きな作品ですが、続編やらリメイクやらが多すぎて、初めて手を出す時は誰もが「みんなが言ってるやつは、この作品であってるのだろうか」という不安に陥ります。ロメロの『ゾンビ』と同じパターンです。これからご覧になる方は、くれぐれも1974年の『悪魔のいけにえ』をチェックするよう気をつけてください。

 最後になりますが、やや意外だったのが、トゥイギーが自分のことを「話し下手」と語っていること。このインタビューをはじめ、まったくそんな感じはしないですよね…? むしろ、受け答えが上手で羨ましいぐらいですが、やはり、話し上手、というかメディア対応が異常にうまい人が横にいると、見える世界が違ってくるのでしょうか。

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話し上手な人

 案外、「自分を口下手だと思ってること」が、初期(1990年代~2002年)のトゥイギーのキャラクター形成(質問と関係ない単語を発したり、幼児のように自分の世界に没頭する)に関係しているのかもしれないな…と思いました。まあ、単にドラッグでハイになっていただけかもしれませんけどね(笑)。

 というわけで、幽霊に遭遇したときの対処の仕方がたいへん参考になる、面白いインタビューでした!

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元のサイトでなぜか一番大きく使われていた写真

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