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Jeordie White(a.k.a.Twiggy / Twiggy Ramirez)を知るためのブログ。時空をさかのぼって不定期更新中。May the force be with you! 【最終更新日:2021年11月27日】

バッグの中身、教えて!【後半】(2010年9月21日)

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続いて後半です。(→前半はこちら

6. Various Artists - Hear 'N Aid

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  ディオのジミー・ベインらの呼びかけで企画がスタートし、1986年に発売されたアフリカ救済プロジェクト「Hear 'N Aid」のアルバム。「ひどいけど、かなりすごいんだよ」と、独特の表現で説明を始めるジョーディに、フレッドが「ちょっと、彼を見てよ」。二人で、ジャケットの裏面に見入っています。

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ストップ、ストップ

 写真には、三人のメンバーが映っています。ジョーディによると「ディオのジミー・ベインと、オジーのために演奏していたけど当時はまだうまくいかなかったルディ・サーゾ*1だね」。さらに公式グッズも紹介されていて、通販で申し込めるようです。チャリティ企画ですから、発売当時はきっとグッズ販売にも力を入れていたのでしょうね。ルディのTシャツ姿にウケるジョーディに、「ぼくも欲しいよ」と便乗するフレッド。「記入して送ってみて、どうなるか試してみよう」という結論になりました(笑)。

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マンソンにも、一着買っとく?

 7. Oasis - Don't Believe The Truth

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 7枚目に登場したのは、いわずとしれたイギリスのロックバンド、オアシスの6thアルバム「Don't Believe The Truth」。ジョーディが大のオアシス好きであることはファンの間では有名で、本人もさまざまな場所で公言しています。オアシスのデビューアルバム「Definitely Maybe」がリリースされたのは1994年。マリリン・マンソンのデビューアルバム「Portrait of an American Family」も同じ年にリリースされていますから、国は違えど、ほぼ同期のような存在でしょうか。年齢的に言うと、ジョーディはノエル・ギャラガー(兄)の4つ下、リアム・ギャラガー(弟)の1つ上です。

 しかし、他のバンドよりもオアシスが好きだとはあまり大きな声で言えないようで…

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「ぼくがビートルズよりオアシスが好きだって言うと、みんなすごく怒るんだ」w

 だって本当なんだからしょうがないよね、もちろんビートルズも大好きだよ! とつけ加えるジョーディですが…これは、少し分かる気がしますよね(笑)。そもそもオアシス自身が大のビートルズファンであり、音楽的にも彼らのフォロワー的な存在として位置づけられていますから、ビートルズ愛する人たちからすると「あの大先輩をさしおいて後輩の方が好きだなんて、けしからん!」って感じでしょうか。

 そんな逆風(?)にもめげない、けなげなジョーディ。「実は…」とわざわざジャケットを脱いで、「もはやオタクだから、タトゥーも入れてるんだ」と、照れ笑いしながら左腕のタトゥーを披露します。はっきりと読み取れる「DON'T BELIEVE THE TRUTH」の黒い文字。おおー。

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フォントにはこだわらない主義

 オアシスのことが本当に好きで好きでしょうがないんでしょうね。「真実を信じるな」という言葉自体も、いかにもジョーディが好みそうな感じです。アルバムの発売は2005年なので、タトゥーは2005~2010年のどこかの時点で入れたのでしょうか。それにしても、バンド名そのものではないにせよ、ミュージシャンがひとりのファンとして他のバンド、しかも上の世代ではなく同世代バンドのタトゥーを入れるって、ちょっと珍しくありませんか? それとも筆者が知らないだけで実はけっこう多いのでしょうか。誰に何と言われようと自分が好きなものに素直になるって、簡単そうでなかなか出来ないですよね。ぜひ見習いたいです。

 8. Queensryche - Rage For Order

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 さて、いよいよ終盤に近付いてきました。「このレコードは本当に素晴らしいよ」といって取り出したのは、クイーンズライクの「Rage For Order」(邦題:炎の伝説)。クイーンズライクは、80年代から活躍するアメリカのヘヴィメタルバンドです。「ヘヴィメタルやクイーンズライクを絶対聴かないような人たちにこのレコードを紹介したんだ。このレコードは1986年発売だけど、みんな、時代をすごく先取りしていて90年代に発表された作品みたいだって言うよ」と熱く語るジョーディ。フレッドもすかさず「これって、『Operation: Mindcrime』より前のアルバムだよね?」と補足します。

 サウンドについて「×××のナイン・インチ・ネイルズみたいな感じ」とジョーディが説明するのですが、「×××」の部分が、筆者にはどうしても聞き取れません。ペ…ぺシュメルガ? 検索すると、”クルディスタンの軍事組織”と出てくるのですが、なんだか物騒ですね。同名のバンドかなにかがあるのでしょうか?「メンバーみんな、おかしな吸血鬼みたいな恰好をしてるんだ」と、しっかりジャケット裏面も紹介。

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 ちょっと見えづらいのですが、確かに吸血鬼のような衣装を着ています。「この写真がネットで見つからないんだよ」と嘆くジョーディ。一生懸命画像検索する姿を想像すると、なんだかほほえましいですね。その後、無事に見つけられたのでしょうか。

9. Stryper - The Yellow And Black Attack

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 さて、いよいよ最後の一枚になりました。聖書の教えを広めるクリスチャン・メタルという、神さまもびっくりなジャンルを開拓したストライパーのデビューアルバム「The Yellow And Black Attack」。1984年の作品です。「本当にこのバンドが好きで」としみじみとレコードに見入った後、「どこまで話していいか分からないんだけど、実はぼく…」。何を言い出すのかと思いきや、

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 「彼らに訴えられたんだ」

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 「・・・」一瞬固まるフレッド。その後…

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 「何だって!? 訴えられた?」

 フレッド、思わず笑ってしまいました。ジョーディも苦笑しています。「そうなんだ、個人的に訴えられたんだ。彼らについて言うべきではないこと――つまり事実じゃないことを、ぼくがテレビで言ってしまったから。面白いと思ってでっち上げただけなんだけど、真剣に受け止められちゃったみたいで…。その時の書類も家にあるよ。最終的には謝罪で解決したけどね」。

 これ、実は証拠(?)映像が残ってるんですよ! 公式な動画ではないのでここには貼れませんが、YouTubeで「Manson TV」と検索してもらえれば、見つかると思います。1998年の映像です。番組開始から19分のあたりで、ジョーディ、というかトゥイギーが「ストライパーのメンバーと一緒にドラッグをやった」と発言しているのです。

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悪ふざけが止まらない

 横でポゴも笑ってます。大勢の観客とカメラを前に嬉々として話してるのですが、はっきり言って、見てる側には嘘だかホントだかまったく分かりません(笑)。嘘だと分かった上で見てみても、本当のことを言ってるように見えます。ジョーディ、嘘つくのうますぎです。これじゃ訴えられるのも無理ない気が…。しかし、訴えられた事実に落ち込むどころか、「ストライパーに訴えられるなんて、かなりクールだよ」と誇らしげに振り返るジョーディ。このあたりの肝の座りようには、やはり唸らされますね。ふざけること、そしてその反応を誰よりも「自分が」楽しむことへの情熱が尋常ではない気がします。きっと同じ気質を持った人間が集まっていたのが、マリリン・マンソンというバンドだったんでしょうね。

 話が少々それたのでもとにもどります。他にも「ストライパーが投げた聖書をキャッチした」(おそらくライブで?)「高校のキャリア・デー(職業について考える授業)にストライパーのベーシストの格好をして行った」とパンチのあるエピソードが次々に繰り出されます。本人いわく「バカみたいに見えた」とのことですが、「それ、写真撮らなきゃ!」と食いつくフレッドに、「うん、持ってるよ。黄色いスパンデックスをはいてて…」。うわー、見たいですね! ストライパーのベーシストであるティム・ゲインに扮したというその写真は引き伸ばして自宅の壁に貼っていたそうで、「ちょっと有名人の名前をひけらかすみたいだけど…」と恐縮しつつ、「感謝祭のディナーにウィーザーリヴァース・クオモがやってきて、彼や他のゲストのために、ぼくが自分の家で七面鳥を料理したんだ。彼が壁の写真を見て、”昔の自分にそっくりだ”と言ってたよ」。

 その時の写真ではありませんが、こんな画像を見つけました。

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ほぼ蜂

 これいったい何かというと、なんと、実際にストライパーのティム・ゲインが着用した衣装を着ているジョーディなんです。どういう経緯でいつ着用したのかは分かりませんが(体型的にマンソン時代?)、もしこんな格好で高校に行ったのだとしたら、なかなかの強者です。全米のメタル・キッズが、同時期に似たようなことをしていたのでしょうか。この姿でジョーディが「将来なりたい職業は、ロックスターです」的なことを、先生やクラスメイトの前で目を輝かせながら語ったのだろうか…と想像すると、楽しいですね。

 というわけで、以上の9枚のレコードがジョーディの「バッグの中身」でした。いや~、とにかく聴いている音楽の幅が広いですね! 気心知れたフレッドが聞き手ということもあってか、自分のいろんなエピソードもからめながら、とてもリラックスした表情で語っているのも印象的でした。

 で、これで終わりかと思いきや、この後の終わり方がまた、いいんですよ! 「これがぼくの”バッグの中身”の全てさ」とクールに締めたジョーディに、レコードの趣味の良さに素直に感嘆したらしいフレッドが、「さすがだね、ジョーディ」と素敵な誉め言葉を贈ります。それを聞いたジョーディ、もう終わりだと思って気を抜いていたのか、一瞬「そうだね」と聞き流しそうになるのですが…

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いま、なんつった?

 フレッドが自分を褒めてくれたことを理解した瞬間、

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「ホント??」と思わず聞き返します。それに対してフレッドが「ホントだよ」とまっすぐに答えたもんだから、

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「ありがとう、フレッド」

 と、この表情! 超嬉しそうです(笑)。さらに、これだけでは終わらない褒め上手なフレッド。間髪入れずに「ぼくまですごく誇らしいよ」と、これまたまっすぐに賛辞を送ったもんだから、ジョーディは…

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 もう、笑顔が止まらなくなってしまいました。よほど嬉しかったんでしょうね(笑)。この表情をとらえたカメラ、すばらしい! それ以上に、こんなに素敵な誉め言葉を(横顔しか見えませんが)まったく照れずに伝えたフレッドも、すばらしいですね。さらりとこんなことが言えるなんて、フレッド…あんた、なんてイケメンなんだ! レコードを紹介している間は終始落ち着いた態度だったジョーディでしたが、思いがけないストレートな誉め言葉に、突然、まるで先生にほめられた男の子みたいになってしまったのでした。

 以上、たった7分間なのに1時間ぐらいの動画を見たと錯覚するぐらい楽しさいっぱいの「What's In My Bag?」でした。

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最後の瞬間まで笑い止まらず

★★目次★★

*1:これはジョーディの勘違いで、実際にはルディー・サーゾではなくクレイグ・ゴールディが映っているようです。