おなじみイギリスの音楽週刊誌、「Kerrang!」。1997年12月13日号(第678号)にトゥイギーが登場し、最終ページの「ラスト・ワード」という連載コーナーで「最後に〇〇をやったのはいつ?」という質問に答えていました。
質問のくだらなさもさることながら、予想の斜め上をいく変な&正直すぎる回答がとても面白かったので、紹介します。
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ラスト・ワード
人生、セックス、ポルノチャンネルに関する究極の質問コーナーに、今週はマリリン・マンソンのトゥイギー・ラミレスが登場。彼がジェイソン・アーノップに打ち明けたのは…?
ジェイソン・アーノップ(以下略):最後にケンカしたのは?
T(以下T):たぶん今年、ニューヨークでオアシスのノエル・ギャラガーとケンカした時かな。誰かが紹介してくれたから握手しようとしたのに、彼にツンとして偉そうな態度をとられたんだ。だから、彼の顔に向かって中指を立てたよ。二人で怒鳴り合いを始めたんだけど、最終的には朝10時まで一緒にコカインをやったんだ。ケンカが起きたのはドラッグのせいさ。でもドラッグがなければ、お互い話しかけなかったと思う。ケンカはその時ぐらいだね。ぼくは全然ケンカをしないんだ。
――最後に吐いたのは?
T:今年出たオズフェスト・ツアーのライブ中。ダイムバッグ・ダレル(パンテラのギタリスト)にクラウンローヤルのウィスキーをひと瓶分喉に流し込まれて、自分のベースの上に吐きまくっちゃったんだ。マジで、ジーン・シモンズみたいだったよ! ギター・テックのスタッフにはあまり喜ばれなかったけど。ゲロを拭き取らなきゃいけなかったからね…。
――最後に幽霊(ゴースト)を見たのは?
T:パトリック・スウェイジの? えーと、ぼくの場合、幽霊を信じるかどうかは曜日によって違うんだ。気が変わっちゃうんだよね…。
――最後にマリリンと本気で口論したのは?
T:ぼくたち、ステージ上ではしょっちゅう言い争ってケンカしてるけど、舞台を降りれば、まったく何事もなかったみたいになるよ。ステージ上ではいつものことだけど、ステージ以外ではやらないんだ。
――最後にハードコア・ポルノを観たのは?
T:昨夜、スペクトラビジョンで。スペクトラビジョンは最初の数分間が無料だから、その間に素早くマスタベーションできるかどうかが勝負なんだ。いまいち興奮できなくて、結局いつもお金を払うハメになるんだけど。あと、女の子が部屋にいるのに、その子があまり興奮してない時につけることもあるよ…。
――最後に“グルーピーな”セックスをしたのは?
T:え? ぼくが、どこかのバンドの誰かとセックスしたってこと? なら、つい最近かな。バンドっていうのは、ぼくたちのライブを観にきてくれるグルーピーの子たちと同じぐらい“グルーピー”だと思う。でも、グルーピーは大好きさ!
――最後に自分を恥じたのは?
T:恥って、感じる必要のない感情だと思うよ。まあ、もっと見かけがいいと思ってた人と目を覚ました時かな!
――最後に怖い思いをしたのは?
T:トニー・ウィギンズが話すのを聞いた時。ヨーロッパで何をしようとしてるのか謎だけど、アンチクライストより彼の方が間違いなく変人だと思う。二人とも、口ひげとあごひげが一緒なんだ! トニーはただのアメリカの田舎者だけどね。マドリードに世界で唯一のルシファー像があるって聞いてみんなで見に行ったら、そこにいたのはまさにトニー・ウィギンズだったよ。
――最後にマスタベーションしていることがバレたのは?
T:きみから電話がかかってきた時!
――最後に法律違反したのは?
T:ノーコメントだね。いずれにせよ、法律ならぼくたちは毎日破ってるよ。
――最後に道路の三角コーンをかぶって魔女のフリをしたのは?
T:魔女? アルバム『Antichrist Superstar』用の写真撮影で蓄音機を頭に乗せなくちゃいけなかったんだけど、あれはちょっと魔女みたいだったな。でも、三角コーンもいいね。紙で作ったとんがり帽みたいだね。
――最後に泣いたのは?
T:おそらく『Antichrist Superstar』のレコーディング中に、ある理由から。個人的なことだよ。嬉しかったのかもしれないし、悲しかったのかもしれないね。泣くのは悪いことじゃないけど、ぼくはあまり泣かないんだ。
――最後にイッたことをごまかしたのは?
T:オーガズムに達するのが早すぎた時は、セックスしたくないフリをするんだ。そうすれば、相手にへたくそだと思われないからね!
――最後に観た素晴らしい映画は?
T:『スター・ウォーズ』の特別版。スター・ウォーズは大好きな映画のひとつなんだ。ぼくを育ててくれた親みたいな存在だよ。
――どれぐらい続ける(last)ことができる?
T:必要ならいくらでも!
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記事は以上です。冒頭から、ノエル・ギャラガーと喧嘩したというエピソードが笑えますね! ドラッグのおかげでどうにか丸くおさまったようで、何よりです。
ライブ中に吐くという、普通だったらありえないけどトゥイギーなら普通にありそうなエピソードですが、パンテラのビデオ『Pantera 3 : Watch It Go』に、マンソンやポゴともどもダイムバッグにバックステージで飲まされてるっぽい場面が何度か出てきていました。マンソンでも逆らえない、メタル界の縦社会!
また、ルシファー像を見に行った際のつかみどころのない落語のようなエピソードですが、まさにその時の写真を見つけました。こちらです。
トゥイギー、誰よりも楽しそうですね(笑)。「悪魔の顔がトニー・ウィギンズそっくりなんだけど!」と興奮している様子がこちらまで伝わってきます。ドキュメンタリー映画『Demystifying The Devil』にも、同じ時のホームビデオ映像がちらっと映っていました。
蓄音機をかぶった画像は、前にどこかで見かけた記憶があるのですが、残念ながら探し出せず。おそらく下の写真撮影の時のエピソードだと思います。
ちなみにこのインタビューが潜在意識に残っていたのか、後年(2012年頃)、トゥイギーは本当に魔女みたいな帽子を手に入れて、ステージや取材時によくかぶっていました。なかなか似合ってますね。
最後の「どのぐらい続けられる?」という質問は、このインタビューを…という意味なのか、それとも下ネタ的な意味なのかいまいちはっきりしませんが、相手が必要なだけ続けてくれるトゥイギー、優しいですね!
というわけで以上、トゥイギーの面白さが一ページにぎゅっと詰まった、「ラスト・ワード」でした。
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